2014年12月2日火曜日

不況の原因について考えてみた ~無駄遣いのすゝめ~

本日、衆院選の公示が行われました。
最大の争点は、やはり景気対策になりそう。

夕方、日テレでは党首討論をやってました。
アベノミクスの採点ということで、自公と次世代が60点台を。
新党改革が、まだ道半ばだとして、50点満点中で30点台後半を出していました。
対して、政権時は動向を注視するだけで儲かったのは韓国だけだった民主党は「マイナス38万人」(笑)という頭の悪い回答。
共産党はマイナス50点。100点満点でマイナスつけるとか、小学校からやり直してくれ。
ちなみに私の採点では、55ってところでしょうか。偏差値で
株価が上がり、円高もかなり解消され。
成長に繋がっていないのが残念だけど、新党改革の言う通り、現状ではまだ評価しきれないかと。


さて、そんな中で今回は。
なかなか回復しない景気について、その原因を経済学とか1ミリも知らない私が考えてみました。


・ 「売れる→儲かる→給料上がる」の好循環が必要

国会では賃金の引き上げについて議論されてますが。
企業としては、業績が良くないと給料アップなんて難しいでしょう。
一時的に業績が良くなっても、「また悪くなるかもしれない」と考えると慎重にならざるを得ない。
そして結局、給料は据え置き。
また、家庭では不景気の到来を恐れ、支出を抑えようとする。
これで余計に、企業の業績が上がらない。
「売れない→儲からない→給料上がらない(or下がる)」の悪循環です。

景気の回復には、まず好循環3要素のいずれかを実現させなけれなりません。
そこで国会がやっているのは、賃金を引き上げるということなのですが。
果たして、本当にそれが正解なのでしょうか?


・ 無駄遣いを悪徳とする風潮

ドラえもんを見て育ったアラサーの私は、のび太がママに「お小遣いを無駄遣いするんじゃありません」と叱られるシーンを度々目にしていました。
ここで言う無駄遣いとは、おやつやマンガで、玩具はなかなか手が届かないようでした。

しかし、これって本当に「無駄」でしょうか?
仮に無駄だとして、無駄遣いは本当に悪なんでしょうか?

先述したように、おやつもマンガも、買ってもらえれば企業が儲かります。
企業が儲かれば、社員の給料も上がります。
給料が上がれば、買い物ができます。
無駄遣いこそが経済の好循環に必要なのではないでしょうか?



・ 「無駄遣い=悪」は経済成長期の戒めか

何故、無駄遣いが悪いことのように言われるんでしょうか。
ひとつには、将来本当に必要なものができた時、無駄遣いばかりしていると肝心のお金がなくなることを危惧しているということがあるでしょう。
しかし一方で、(世代ではないので印象論ですが)バブルまでの高度経済成長期にあり余る金を好き放題に使ってきた日本人に、清貧とか慎ましさといったものを忘れないよう、戒めとして使ってきた言葉なのではないかと思うのです。
特にバブル期などは、ジュリアナやら何やら、当時の映像を見るとただただ「下品」だと感じます。
戦後の貧しい時期を経験した人などは、下らないことにお金を湯水のように使う若者は気に食わず、「無駄遣いをするな」と言ったのかもしれません(知りませんけど)


・ もしくは手遅れになってからの教訓?

無駄遣いをやめようというのがいつから言われだしたのかはわかりません。
だから、前の仮説は誤りで、実際はバブル崩壊後の流行語ということも考えられます。
――もうバブルは崩壊して不況に堕ちた。
――これからは今までのように自由にお金を使うことはできない。
――それどころか、更なる不況に陥る可能性だってある。
――将来、生活するためのお金すら失わないように、節約を心掛けよう。
そんな流れだったのかもしれません。


・ 高級志向から安いものや無料のものへ

クレヨンしんちゃんぐらになると、とーちゃんは安月給と罵られ、みさえはスーパーの安売りチラシとにらめっこという時代になりました。
家計を預かる主婦に限らず、男も若者も、とにかく少しでも安いものを求めるようになりました。
すると、勝ち組企業は「お客様のニーズに応える」をモットーに、値下げ競争を開始します。

「多少質が落ちてもいいから安いものを」ということで、生産現場がアジアへ移ったり。
大量に仕入れることで安く販売できる大手の小売店が、個人商店を蹂躙したり。
ビデオに続いてコミックも格安でレンタルできるようになると、古本屋が悲鳴を上げて。
ゲームも中古で買うようになると、メーカーは廉価品を出して対抗して。
ゲームはとうとう、無料の時代に突入しました。

とにかく安いものへ安いものへと志向が移り、それが当然の価値観になりました。
高いものには手を出さず、安くても必要な物以外はなるべく買わない。
高級品は買えるか買えないかという以前に、買ってはいけないものという認識になりました。
3000円のカツカレーを食べただけで、マスコミがこぞって政治家を叩くような時代です。
不況だ不況だと騒いでいる割に、そのメディアが不況を後押ししているという実態。
政府には消費税の前に、マスゴミの平均年収が500万程度になるくらいマスコミ税を取って欲しい。


・ スマートだったりガラパゴスだったりする、道具の統合

スマホなんかも消費全体を落ち込ませている原因かもしれません。
もしもスマホがなく、電話とメール機能しかない携帯電話だけだったら?
カメラに携帯音楽プレーヤー、メモを取る筆記用具に、ゲーム機に、電卓に、地図に、情報誌に、それらを入れる鞄に…。
スマホがないだけで色々なものが必要となり、逆説的にスマホはそれらの需要を奪っていることになります
勿論、資本主義社会の自由競争の前提上、スマホを悪として禁止することなどできませんし、もしもなくなったら私も困ります。
しかし、スマホのような様々な用途がある道具の普及は、一対一の椅子取りゲームのような競争ではなく、一が勝って十が負ける殲滅戦、スマホ無双であるということも事実でしょう。
パソコンも同様ですが、生活が便利になった反面、社会全体の不況には拍車をかけているのかもしれません。


・ 「金を払ってまで手に入れるようなものじゃない」の心理

少し前、ビートたけし氏が、いちじくだか柿だかの販売についての報道VTRを見た時に、「俺が子供の頃はその辺の家になってるやつを勝手にもぎって食ってた」といったことを話していた記憶があります。
こういった、「無料で手に入る物(無料だった物)」というのは、いざお金を出すとなると買いにくいものではないでしょうか?

例えばポケットティッシュ。
街頭で無料で配っているのに、いざ必要な時にないと、わざわざ買うのに躊躇してしまうものです。

今、この流れで最もダメージを受けていると思われるのが音楽CD。
1枚1000のCDを100円か200円でレンタルして、カセットやMDに録音という時代があり。
やがてインターネット上での違法アップロード&ダウンロードという時代になりました。
まぁそれ以前にも、ラジオ番組からカセットに録音とかできたんですけど。
売り手はこれを防ごうと、CDにコピーガードをつけたり、違法DLを法律で禁止させました。
ところが、コピーガードは音楽を携帯端末で持ち歩きたい消費者心理と対立して失敗。
違法DLの方も、特に効果があったという話は聞きません。
今年のCD売上上位の顔ぶれも、握手券のAKBと、ジャニーズ、EXILEで全て埋まりました。
CDは音楽を聞くために買い求めるものではなく、ファングッズとして手に入れるもの、アイドルに収めるお布施のようなものとなっています。
結局、「歌に金を出す」という価値観を現代人は失ってしまったということでしょう。

また、現在の不況で理容室美容室などにも影響が及んでいます。
これまで個人で経営し、カットなら1時間で3000円台くらいが普通だったこの業界。
早い・安いをモットーにした大型チェーン店が登場しました。
15分1000円でやってくれるので、忙しい人にも、貧しい人にも、人見知りな人にも優しいお店。
更に、それすら嫌だという人は、お店に行かず自分で揃える程度にカット、雑誌などで切り方を教えてくれます。
さすがにかつて流行ったカリスマ美容師の需要までは食わないでしょうが、ごく平凡な家族経営のお店はかなり厳しくなってきたのではないでしょうか。
自分でもできるカットを、さほど腕が良いわけでもない近所の床屋に頼むというのは「無駄」に感じてしまうかもしれません。

あとは、ネットで大量の情報を入手できるようになったことで、料理のレシピを始めとしたハウツー本も売れなくなってきているでしょうし。
DIYの流行で、業者や家具メーカーなんかも需要が減っているでしょう。
私も、水道の蛇口が閉まりきらず水がポタポタしてた時、ネットで調べて自力で直しましたし、ダンボールで本棚とか作ったりしてしまいましたからね。

こういう風に「お金を使わない」という選択肢ができると、お金があってもわざわざお金を払わなくなるのではないかと。


・ せめて年寄りがお金を使えば・・・

お金を持っているのに使わないといえばお年寄り。
貯金に退職金に年金にと、お金はあるけれど使い道がない
盆栽などお金を使う趣味でもあれば良いのでしょうが、そうでなけれな孫に小遣いでもやるか、振り込め詐欺に献上するか。
何で1000万とか持ってるのか、振り込め詐欺事件の報道聞く度に呆れます。
将来が不安だったのかもしれませんが、もうちょっとコツコツお金を使っていれば、景気は今よりもずっとマシだったかも。

お年寄りは医療費なんかにもお金が必要になります。
病気で入院した時のため、体が動かなくなって介護を雇うときのため、お金を残しておきたいと考えるものかもしれません。
しかし、その医療費・介護費って、保険でだいぶ安くなるんですよね。1割負担とか。
お年寄りに等しく医療・介護サービスを受けてもらうためという考えは分かるんですが、折角お金持っているのに割り引きしてどうするのかと。
持ってる人から金を引き出さずに誰から金を毟り取るのかと。
最近、家族が介護サービスを受けて、負担額の安さに疑問を覚えたところでした。


・ 必要なのは新たな消費価値観の想像

とにかく、「国民が金を使わないことにはどうしようもない」というのが私の考えです。
しかし、今更高級品を買わせるのは難しく、一度無料だったものが有料になっても利用しなくなるだけでしょう。
よって、景気の回復には全く新しい消費の価値観を創りだすことが必要なのです。

既存のツールを統合したものではなく、
既存の業種と競合するものではなく、
これまでとは完全に発想を転換させた、
多くの人が必要とし、お金を払うことに躊躇がなく、無料では入手不可能な。
そんな、なにか。

いや、私にはまったく思いつきませんけどw
アレンジが得意な日本人向きではないではないのかもしれませんし。
しかし、そういう斬新なものが出てきてくれないと。
アベノミクスどころではなく、資本主義そのものが行き詰まりとなるでしょう。

大企業は販路拡大とかやってますけど。
トヨタは世界中全ての人に車が行き渡ったら、宇宙人にでも売りに行くつもりなんでしょうか。

行き着く先は行き止まり、やっていることは成長という名の延命措置。
この世は全て有限なれど、有限をどこまで拡大できるか。
それが課題。

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