2015年2月11日水曜日

日韓友好は心理学的にありえない

先週、こんな記事を目にした。

『魚住昭氏「あふれる嫌韓嫌中ヘイト本、韓国には反日本がないのに…ヘイト本が消える日はいつやって来るのだろう」』
http://www.wara2ch.com/archives/8041639.html


いやいや、嘘を吐くなよ・・・。
日本の嫌韓本は『マンガ嫌韓流』の大ヒットに始まるわけだが、それに対抗して韓国は『マンガ嫌日流』を出版している(しかも2種類)。
それ以前に、国が指定している教科書からして日本に対するヘイト本ではないか。

私は韓国の本屋に行ったことがないので実態は知らないが、元記事の筆者の話をとりあえず信じるとしよう。
韓国には(あまり)反日本を置いていないのかもしれない。
しかし、それが「韓国は反日本を作らない」ということを必ずしも意味するわけではない。
単純に考えて、「本屋が売れないと判断したから置いていない」だけかもしれないのだ。

では、何故韓国の本屋は反日本を置かない(買ってもらえない)のか。

ひとつは娯楽性に乏しいこと。
韓国は知れば知るほど嫌いになる国だが、同時に笑いも提供してくれる(笑韓)。
残念ながら(?)、日本には笑いのタネにできるような側面はそう多くない。
本屋で日本に関する本のコーナーを作ろうとすれば、日本から学ぶべき点について書かれた真面目な本に自然と偏ってしまうのだろう。
反対に、日本の韓国コーナーに嫌韓本が多いのは、韓国から学ぶべきものがなく、ドラマや音楽に関する本もオワコンとなって淘汰された結果だろう。

そしてもうひとつは、日本における嫌韓と違い、韓国では反日を目にする機会にあふれているからだ。
韓国人は教育の場面で教科書(ヘイト本)や教師(ヘイトスピーカー)から反日を学ぶ。
また、韓国の新聞や大統領のスピーチなどが、既に日本に対するヘイトスピーチである。
「旧日本軍が韓国の若い女性を強制連行して性奴隷にした」という主張など、根拠がなくなった今、ヘイトスピーチの最たるものだろう。
つまり、韓国に反日本がないのだとすれば、それはわざわざ本として出版するまでもない(需要もない)から。
もしくは、実際には反日本はあるが、それは普通の本の中にヘイトスピーチが自然と混じっているだけなのではないかと考えられる。



韓国人は教育や政治、人との関わりといった社会生活の中で、自然と反日が身につくようになっている。
反日行動には、「日本を嫌う」という広義の意味だけではなく、「慰安婦ハルモニに同情する」とか「併合時代を悔しいと思う」といったものも含まれよう。
今回は心理学的な視点から、韓国における反日と日本における嫌韓、そして日韓関係について考えてみたい。


1. 反日を学習する韓国人

韓国人はまず、学校教育において反日を学ぶ。
教科書自体が日本に対して批判的に記述されているという面もあるが、
教師によってはより積極的に反日を教えこんでいるケースもあるようだ。
子どもたちが描いた反日絵画展は、その最たるものだろう。
http://shiratorijun.blog4.fc2.com/blog-entry-22.html

学校の外に出ても、メディアの報道や政治家の発言、あちこちで反日が飛び交っている。
ノムたん政権時に作られた、いわゆる親日罪(日韓併合時に親日だった韓国人とその子孫に対して、その財産を没収する)では、反日が法にまで影響を及ぼしていることを示している。

ある集団において、個人がそれに従うことを期待されている行動や判断の基準のことを、「社会的規範」と言い、人は基本的に規範に従おうとする。
同じ集団に属する人々は、他の人も自分と同じ規範に従って行動すると考えているため、規範に反するような行動に対しては否定的な反応(驚き・当惑・怒り・制裁)を示す。
親は子どものとる行動に対して、「正しい行動を褒め」、「間違った行動には怒る」、その中で人は「正しい行動」、つまり規範に沿った行動をとることを学習(条件づけ)するのである。
やがて成長し、所属する集団が家族から学校・友人、大人になって会社員になると、その集団の中でまた異なる規範を学ぶ。
これは集団ごとに規範が異なるのと同時に、子ども・学生・会社員では、社会的役割によって期待される行動が異なるからでもある。
その中で人は、同じ集団の仲間から嫌われないよう、好かれるよう、規範に沿った行動をしなければならない。

規範には、法律のように明文化されているものもあれば、自分たちが暮らす社会や所属する集団の中で何となく共有されているような価値観といったものも含まれる。
明文化されていない規範は、集団の中で実際に様々な行動をとり(もしくは他者の行動を観察し)、その行動に対して他者がどのような反応をするか(肯定的か否定的か)を確認することで、集団が共有している規範を理解する必要がある。
この時、具体的にどのような人の行動(あるいは反応)を参考にするだろうか?
例えば、自分が魅力的に感じる人(もしくは反面教師としてその逆)の行動を模範にする。
また、権威ある人の影響力も大きいだろう。
子どもなら親、学生なら先生、会社員なら上司など。
権威者には服従する傾向がある。

韓国の場合、メディアや政治家、親や教師など、権威者が反日を刷り込んでくる。
親日的な行動は批判の対象となり、反日行動が動機づけられる。
反日は韓国人として期待される役割であり、反日は韓国という社会における規範となっていると考えられるのだ。



2. 反日韓国人を嫌う日本人

対人認知において、人は自分が好きな人からは好かれていると考え、自分が嫌っている人からは嫌われていると考える傾向があるという。
また、自分のことを好きでいてくれる人を好きになり、自分を嫌っている人を嫌う傾向がある。

更に攻撃行動の研究において、自分や自分の属する集団に対して悪意を持つ他者に、人は防衛的攻撃反応が動機づけられるという。

対人関係における感情表出の研究でも、相手の怒りが自分の怒りを誘発するとされている。

つまり、韓国の反日に対して、日本人が怒り、韓国人を嫌うのは、心理学的に当然なのである



3. 韓国を擁護する日本人と、彼らへの反応

朝日新聞や毎日新聞、NHKやフジテレビ、そして有田ヨシフのような政治家・知識人。
日本国内には執拗に韓国を擁護しようとする勢力が存在している。

日本のインターネット上では、彼らに対して極めて批判的な立場がとられている。
これは韓国の反日と同様に、日本のインターネット上では嫌韓が社会的規範になっていると考えられる。
そのため、規範から逸脱した日本人は売国奴などとバッシングを受けることになる。
しかし、なぜ彼らはそうまでして韓国を擁護しようとするのだろうか?

人間の態度に対する説明として、均衡理論がある。
これは三角形の頂点に自分・他者・対象を置き、それぞれの関係を肯定的(+)か否定的(-)かで示して、3者の関係を掛けあわせてトータルが「+」になれば均衡した状態、「-」になれば不均衡な状態となる。
不均衡な状態は不快感を抱かせるため、均衡状態になるように関係を変えなければならない。

例として、「ピザが好きだが、太るので食べたくない」という葛藤状態をあげよう。
まず、「自分はピザが好き」なのでこの関係は「+」である。

次に、体重(痩せたいor体型を維持したいという願望)は自身のことなので、自分と体重の関係も「+」とする。
最後に、「ピザを食べると太る」ので、両者の関係は「-」である。
結果、「+」×「+」×「-」=「-」となり、これは不均衡な状態である。
これを均衡状態にするには、いずれかの関係を変えなければならない。
その方法は3つある。
一、『自分とピザを「-」にする』、つまりピザを嫌いになれば良い。
ニ、『ピザと体重を「+」にする』、つまりピザを食べても太らなければ良い(運動するとか、食べても太らないピザ?を食べるとか)
三、『自分と体重を「-」にする』、つまり逆に考えるんだ、「太っちゃってもいいさ」と。

では、実際に韓国を擁護する日本人(長いので「サヨク」と呼称する)の場合を考えてみよう。
まず、「サヨクと韓国は深い関係」であると予想される(少なくとも否定的な感情は持っていないだろう)ので、この関係は「+」である。
次に、日本人と韓国の関係はこじれているので、ここは「-」である。
最後に、「サヨクは日本人」なので、同一集団とみなされる両者の関係は「+」である。
結果、「+」×「-」×「+」=「-」となり、これは不均衡な状態である。
この場合の解決方法は、以下の3つである。
① 『サヨクと日本人を「-」にする』、つまり嫌韓な日本人を「差別主義者」と呼んで差別し、自分とは違う存在だと考えることで、自分との同一化を解消すれば良い。
② 『サヨクと韓国を「-」にする』、つまり自分も他の日本人と同様に韓国を嫌ってしまえば良い。
③ 『日本人と韓国を「+」にする』、つまり日本人を親韓にすれば良い。

ここで言う③のパターンこそが、今回問題とした「サヨクによる韓国擁護行動」の説明となる。
同時に①のパターンもよく見られるが、これは③がうまくいかないために、対処療法的に均衡状態を保とうとした結果ではないかと考えられる。
・・・その場合、もし万一、日韓が仲直りした時には、日本人と自分を切り離したサヨクはどう均衡をとるのだろうか?w
ちなみに、②のパターンの場合はサヨクとしての存在意義を失って、表舞台から姿を消すことになるだろう(そうして消えていった元サヨクも多いのかもしれない)。


ところで、サヨクが③を実現しようとすれば、日本人の態度を嫌韓から親韓に変えるよう説得しなければならない。
メッセージ学習説によれば、説得の成功・失敗には
「送り手(信憑性が高いor魅力的な人だと成功しやすい)」、
「内容」
「媒体」
「受け手」
という4つの要因が関わるという。
現状、どの要因も満たせるとは思えない。

また、強い態度には説得に対する抵抗が生じる。
抵抗には、
「リアクタンス(説得に応じない)」
「疑惑(警戒する)」
「吟味(説得内容を徹底的に検討し、批判する)」
「慣性(均衡状態にあるならば、態度の現状を維持する)」
といった種類のものがあるが、下手な説得は逆効果となる(より嫌韓が強くなったり、嫌韓日本人が増えたりする)。
実際に、サヨクは警戒され、嫌韓ネタは大体が事実であるためサヨクの主張には説得力がなく。
日本人からすれば、韓国とは互いに嫌い合っているので、均衡がとれた状態である。
説得は絶望的であると私は見ている。


なぜサヨクは、絶望的な親韓説得を続けるのだろうか?
また、これだけ韓国面が広く知れ渡るようになった現在でなお、韓国への好きを諦めないのだろうか?

これは認知的不協和理論で説明できる。
ある信念(「韓国はいい国だ」、「韓国人は素晴らしい」、「日韓は友好的であるべきだ」)を持っている人が、それに反する情報(嫌韓ネタ、日本人の嫌韓)を手に入れると、不協和が生じる。
均衡理論と同様、この不協和は解消しなければならないものである。
しかし、信念を破棄できない場合、どうにか協和できる部分を探して、不協和を低減しようとする(「悪いのは一部の韓国人だ」、「韓国を嫌っているのは一部の差別主義者だ」)。
また、態度に反する行動を取ってしまった時には、その行動と辻褄が合うように態度を変化させる(記者「韓国はおかしな国だと思うけど、上から韓国押しの記事を書くように言われた(´・ω・`)」→「韓国って良い国だなぁ @∀@)」)。
つまり、これまで散々韓国を持ち上げてきた結果、マスゴミや知識人は韓国が好きになっている
あるいは、「自分が韓国を好きでないと自分の過去の行動と折り合いがつけられない」ため、韓国を擁護することで現在の自分と過去の自分との一貫性を保とうとしているのかもしれない。



4.日韓友好は心理学的にありえない

均衡理論で言えば、日本と韓国は現在、互いに嫌い合うことで均衡状態を保っている
ここで日本人が反日な韓国人を好きになったりすれば、不均衡な状態となり、不快な感情を抱くことになるだろう。
日韓の歩み寄りを促す声がアメリカなどから出ている。
しかし、均衡理論から言って、日本からの歩み寄りは不可能だ(だからアメリカ側も「韓国側に問題がある」と述べるようになった)
どちらかが歩み寄らなければならないのだとすれば、それは先に一方的に嫌悪感情をぶつけてきた韓国の方である。

しかし、反日が社会的規範となっている韓国にそれは難しい。
一般個人や政治家、専門家などが態度を変えれば、裏切り者として制裁の対象となる
法で裁けずとも、集団の圧力がそれを許さない。
大統領が親日行動を取れば支持率が低下し、反日行動をとれば支持率が回復するのがわかりやすい例だ。

心理学的に考えて、日韓関係の改善は厳しい。
ここは朴槿恵大統領の提案に乗るべきだ。
「1000年恨む」と言うのだから、1000年断交しようではないか。
1000年もすれば、規範も態度もみんな忘れて、良好な関係を築けるかもしれない。


――日韓基本条約の締結から50周年の記念にサヨナラを――